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2020-09-01

『超芸術トマソン』

『超芸術トマソン』(赤瀬川原平著、ちくま文庫、1987.12.1)読了。
2014年11月10日付の第21刷。

1985年刊の、白夜書房の元本で読んでいたと思う。
出て2年後にもう文庫になっていたんだな。それからでも、もう30年以上かあ。
今読んでもいろいろおもしろいよ!
「トマソン」という語もすっかり普通名詞化したような。というかすでに忘れられているか。

文庫の際に改訂・増補したというので(目次見たら増補部分別になっていたし)、増補部分の見覚えなさそうな写真だけぱらぱら見ればいいかな~と思ったが、この本、その物件の写真もさることながら、文章がおもしろいんだったわ。つい最初から全部読んでしまった。「トンデモ本」のおもしろさが、と学会の方々のおもしろおかしい紹介によるところが大きいのと同じようなものか。

トマソン氏から抗議が来たとかいう話も聞いたように思うが、実際はどうだったのか。今や英語版のwikiにも「Hyperart Thomasson」などと書かれているぞ。

まあいろいろおもしろいものはあるが、近所で言うと、横浜市図書館前の「爆撃跡」、1990年代に図書館が建て直されるまであったんだよな。確かにこんな感じだった。関東大震災後に再建されたこの図書館は、中は普通に入れるところが少なく、図書館としては使い良かったとは言えないけど、壁が厚く重厚な感じのする風格のある建物ではあったと思う。でもなぜ周辺を整備しなかったのかなあ。

増刷なので文庫になってから内容は変わってないと思うが、カバーの著者紹介に「2014年10月26日逝去」と入っている。
文中にも出てくる、建築史家で路上観察学会のメンバーの藤森照信の解説に、享年として(90)とあって、あれ、と思ったがこの解説文全体が2027年頃に著者が90歳で亡くなったという未来の文章の体裁の冗談なんだよね。実際の享年は77で決して若死ではないけど、解説の内容が実現しなくてちょっとしんみり。
 

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2020-07-24

島袋全優『腸よ鼻よ』1~3巻

島袋全優『腸よ鼻よ』1巻(2019.9.13)。
島袋全優『腸よ鼻よ』2巻(2019.11.29)。
島袋全優『腸よ鼻よ』3巻(2020.6.30)。
KADOKAWA発行。web「GANMA!」連載中。

漫画だけど闘病記的なコミックエッセイなのでこのカテゴリーで。

webで先まで全部読んでるけど、作者「取材」費の足しにと購入しようとしたのだが、売っている場所がなかなか見つけられなくて苦労した。少年漫画コーナーかと思ったらなくて、少女漫画コーナーでも出版社・レーベルごとのところじゃなくて、隅の「女性向けコミックエッセイ」のところにあった。
最初地元の大型書店でぱっと見つけられなかったので、アニメイトならあるだろ!と思って行って見つからないから店員さんに聞いたらまさかの「入れていません」で、結局最初の書店で再度捜したらあったという。

改めて読んだけど、やっぱりおもしろいよ!
…とともに大丈夫かーと心配になる。
体調が悪いときに前向きに漫画にするとかすごすぎる。
人物はいろいろデフォルメしてあるんだろうけどみんな楽しい。
ときどき入る完全創作?回が息抜き?(出張編集部のことを教えてくれるスーさんの回とか)
ネタをいちいち取り上げてるときりがないくらいそれぞれおもしろいので、興味ある人は是非。
ただ病気や治療のことは人によって違うので、具合が悪い人は自分に合った医療をちゃんと受けてね~。

web連載は大腸全摘してストーマをふさぐところまで来てるけど、その後もいろいろあるみたいだし…。
あとがきに「単行本で大腸が無くなるまで収録したい」と書かれていますが、作者の方が「取材」もとい緊急入院しないで済むようになってネタにならなくなるまで早くたどり着けますように…。

ツイッターで別の漫画家さんが明るく末期大腸ガンの連載始めましたってやってたけど、こちらもなんとか寛解にもちこめることをお祈りしております。
こっちもワイルドなお医者さんの話があったけど、いい医者は早死しそうだな。医療現場はブラック職場…。

私も開腹手術したけど、なんか大したことなかった気が。
皆さん、なんとかお元気で…!
 

2020-06-18

『SF万国博覧会』

『SF万国博覧会』(寺子屋ブックス11)(北原尚彦著、青弓社、2000.1.30)読了。
早川書房発行の「SFマガジン」に連載した「空想科学小説叢書列伝」(1994.2~1995.12)と「バベルの塔から世界を眺めて」(1997.1~1999.12)を合わせての単行本化。
連載時から楽しみに読んでいたが、単行本刊行ももう20年も前だったか。しかし早川は本にしてくれなかったんだなあ。

こういう「リストもの」は好きなのでいずれ買おうとは思っていたが、『サンリオSF文庫総解説』(本の雑誌社)の感想を書いていたとき、やっと思い立って買った。
改めて読み直したが、たらたら読んでいたら読み終わるのにずいぶん時間がかかってしまった。

どちらかといえば「空想科学小説叢書列伝」が好きだった。一部重なっているものもあるが(「世界SF全集」「Q-TブックスSF」「現代ソビエトSFシリーズ」)、奇想天外社の「別冊 奇想天外」12号(1980.11)「SFゴタゴタ資料大全集」の「SF叢書リスト」を継ぐものと言える。
角川文庫のSFジュヴナイル、コバルト文庫の翻訳SFアンソロジー、ソノラマ文庫海外シリーズなど、ある程度まとまりはあったもののきっちり「叢書」の形になっていなかったものも紹介しているところは貴重。
連載時、「角川文庫<Fシリーズ>」が取り上げられないかなあと期待したが、ファンタジーがメインと思われたのか取り上げられず残念だった。自分で調べたことがあるので、今度まとめておくかなあ。

「バベルの塔から世界を眺めて」は英米圏以外のSFを紹介したもの。「英米圏以外」なので英語圏でもカナダやオーストラリアなどは入っている。ジュヴナイルや幻想小説で取り上げられているものも多い。ロシア系は啓蒙小説が多かったりして読みにくいものもたくさんあったようで大変そう。中国もそうかと思ったらそもそもあんまり訳されてないのだな。
SF小説というよりノンフィクション的なノリの、レオ・レオーニの『平行植物』やハラルト・シュテンプケの『鼻行類』が取り上げられているのは楽しい。
 

2020-02-23

『天文の世界史』

『天文の世界史』(インターナショナル新書)(廣瀬匠著、集英社インターナショナル、2017.12.12)読了。
文系の人間でも読めそうな最近の天文学の本として読んだ。

ギリシアだけでなく、インド・中国・マヤなど世界各地の神話や古代からの天文学をいろいろ紹介しているのが興味深い。
結果的に誤った宇宙観を長く固定させてしまったアリストテレスが嫌いになりそうだ(笑)

次はもう少し最新の科学的成果がわかる本が読みたいかも。

入院する前に半分以上読んでいたんだけど、図書館で借りていたので一旦返して改めて読了。

版元は集英社の子会社で、自費出版部門というわけでもないんだろうが、まあ本社とすみ分けてはいるのかな…。
林望の読書論『役に立たない読書』というのも出ていて読んでいたな。
 

2020-02-19

『吉野朔実は本が大好き』

『吉野朔実は本が大好き―吉野朔実劇場 ALL IN ONE』(吉野朔実著、本の雑誌社、2016.7.20)読了。
「本の雑誌」に連載していた、少女漫画家・吉野朔実の読書エッセイ漫画「吉野朔実劇場」の全8冊を1冊にまとめ、ボーナストラックとして未収録作品6編ほかを収録。

シリーズどこまで読んだかわからなくなったので、この総集編を改めて読むことに。
『お父さんは時代小説が大好き』(1996.12)
『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』(2000.1)
『弟の家には本棚がない』(2002.5)
『犬は本よりも電信柱が好き』(2004.9)
『本を読む兄、読まぬ兄』(2007.6)
『神様は本を読まない』(2010.10)
『悪魔が本とやってくる』(2013.7)
『天使は本棚に住んでいる』(2016.7)

ソフトカバーだけどさすがに8冊+αは分厚くて重い。
でも中身はライトな読書エッセイ漫画なので、入院のお供に持っていって、頭から全部読みました(直前に読んだ「悪魔が~」の分はさすがに少し流した。総集編の収録作品は再構成されているとのことだけど、順番とかどこか違ったかはわからなかった)。

「書評」って構えなくても、取り上げられてる本のことを知らなくても、気軽に楽しく読めるご本でした。もう読めないと思うと寂しいな。
最初の本の刊行から20年経っていたのね。よく出てくる方々ともすっかり馴染みになった気分だが、方々のご健勝とご多幸をお祈りする。

おもしろかったです! 楽しいひとときを、ありがとうございました。
 

2020-01-18

『悪魔が本とやってくる』

『悪魔が本とやってくる』(吉野朔実著、本の雑誌社、2013.7.25)読了。
「本の雑誌」に連載していた、少女漫画家・吉野朔実の読書エッセイ漫画「吉野朔実劇場」の7冊目。

知らない本も多いけど、気軽に楽しく読める。
漫画だけど、内容的にカテゴリーは「創作以外」で。

著者は2016年に亡くなったので、生前出たシリーズ最後の本(亡くなった直後にもう1冊出た)。まだ50代だったのになあ…。
この読書エッセイ漫画を先に読んだかもだけど、初期作品の『月下の一群』や『少年は荒野をめざす』とか結構好きだ。

シリーズどこまで読んでたっけ、と自分の読書記録をあさったが、以前は漫画は記録つけてなかったのでわからなかった…。3冊目までは確実に読んでいるのだが。
シリーズを全冊収録した『吉野朔実は本が大好き ALL IN ONE』というのも出ているようなので、今度これを読もう(しかしシリーズ最後の本『天使は本棚に住んでいる』と同時刊行だったせいか、近所の図書館に『天使~』が入ってないぞ)。
 

2019-12-24

サンリオ文庫について(SF文庫以外)

前項が長くなったので、SFの入らないサンリオ文庫について別立てで。
1冊の本の感想じゃないので「創作以外」に入れるのはおかしいのだが、前項との続きのためここで。
以前つい調べていたので、書いておきたいのだよ!
〈文学〉分野の内容や再刊情報等の詳細は、『サンリオSF文庫総解説』(本の雑誌社 2014)に記載されているのでそちらを参照してください。

サンリオ文庫は、A〈文学〉19冊(1983.10~1987.2)、B〈ノンフィクション〉4冊(1984.8~1985.9)、C〈ミステリ〉1冊(1985.1)、D〈ロマンス〉11冊(1984.7~1986.12)、E〈ビジュアル〉2冊(1984.6~12)、F〈ファンタジー&メルヘン(童話)〉1冊(1985.4)、G〈スターライト・ゲームブック〉2冊(1986.7)の、計7種40冊あった。文学・ロマンス・ゲームブック以外はサンリオSF文庫が終刊する1987年の2年前の1985年中に刊行停止している。開始して2年後には早くも見切りをつけたということか。
40冊中、再刊されたのは17冊、新訳は3冊(うち1冊は再刊分とのダブリ)、先行別訳は2冊。また、17冊はサンリオで出していた単行本の文庫化で「再生産」であることは、初訳が大部分を占めていたSF文庫との大きな違いである。

A〈文学〉はSF文庫からの移籍もあり、それまでSF文庫で出していたSF色の薄いものやSF作家のものでもエッセイや評論はこちらに移そうとしていたようだ。サンリオ文庫の中ではいちばん早く始まり、いちばん遅くまで刊行されていた。

B〈ノンフィクション〉の4冊のうち、ヘレーン・ハンフの『ニューヨーク、ニューヨーク』を除く3冊は1978・1979年にサンリオから単行本で出ていたものの文庫化。リリアン・ヘルマンの『眠れない時代』はちくま文庫で1989年に再刊され、フランスの女優や女性作家らへのインタヴュー集『嫉妬』は多分原著改訂版を新訳したのが『嫉妬する女たち』というタイトルで東京創元社から1998年に出たようだ。自殺した日本の少女の日記『17歳の遺書』と楽しいニューヨーク案内書『ニューヨーク、ニューヨーク』は再刊されていない模様。

C〈ミステリ〉はトマス・チャステインの『死の統計』1冊のみ、これも1979年にサンリオから単行本で出ていたものの文庫化で、1990年にハヤカワ・ミステリ文庫で再刊されている。

D〈ロマンス〉は、1985年5月までにジャネット・デイリー、ステファニー・ジェイムズ、アン・ハンプソンというこの分野の大物3人の翻訳作品が10作出たあと刊行が中断し、1年以上経って最後の1冊として日本人作家のものが出て終わった。サンリオは当時シルエット・ロマンスなどのロマンス小説のシリーズをいくつか出しており、最後の1冊を除いてそこからの文庫化(複数のシリーズから)。サンリオはこの分野の出版もやめてしまったようだ。

E〈ビジュアル〉は「長島茂雄語録」という副題だったものがあったが、多分河出文庫で『長嶋茂雄語録』という本タイトルで1993年に刊行されたものが再刊と見られる。2013年には新装版も。もう一冊のきのゆり詩・松岡茂樹写真『シンフォニー』については詳細不明。

F〈ファンタジー&メルヘン(童話)〉は1985年4月の〈立原えりかの世界Ⅰ〉と銘打たれた『はかない心』1冊のみだが、この本の巻末広告によると「夏発売」で「Ⅱ」、「秋発売」で「Ⅲ」がシリーズとして予定されていたようだ。折込ハガキのアンケートには好きな童話作家に安房直子や谷山浩子、好きなイラストレーターに永田萌や葉祥明などの名前がある。この路線を続けようという意図が見え、SFよりもむしろサンリオの王道路線だったと思うのだが、1冊で刊行停止になってしまった。同じタイトルでの再刊はないようだが、短編集なので収録作は他の作品集で読めるものもあるかも。

G〈スターライト・ゲームブック〉は1980年代後半に流行したゲームブックの一つだが、「はじめての女性向けゲームブック」と銘打ってあって、ロマンス小説の読者を狙ったものだったのでは。同じ月に2冊出たがその後は出ず、おそらく再刊等もされていない。

自分で作ろうとした「解説目録」用の巻末の内容紹介で手に入れられたのは14冊分のみで、こっちはあまり集まらなかった。
著者番号順のタイトルと著者・訳者・価格のみの刊行一覧、「本の雑誌」55号(1987.8)の「サンリオSF文庫全刊行リスト」に倣った刊行順の「サンリオ文庫全刊行リスト」も作ったぞ。

背表紙は、A〈文学〉はみかん色、B〈ノンフィクション〉は暗いピンク、C〈ミステリ〉は暗い水色、D〈ロマンス〉は薄い黄緑色、E〈ビジュアル〉は白、F〈ファンタジー&メルヘン(童話)〉はミステリより明るい水色、G〈スターライト・ゲームブック〉は黄色でデザインも他のと少し違った。

以下、読んだサンリオ文庫について。
 

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2019-12-24

『サンリオSF文庫総解説』

『サンリオSF文庫総解説』(大森望,牧眞司著、本の雑誌社、2014.9.20)読了。
2014年11月5日初版第3刷

1978年7月に創刊し、1987年8月までの9年間存在したサンリオSF文庫の全197冊の解説本。あわせてサンリオ文庫の文学分野全19冊のレビューと、関係者へのインタビュー・思い入れを語るエッセイ、こぼれ話コラムなどを収録。巻頭には途中で絵が変わった「新装版」を含む全カバー絵のカラーでの一覧。
もう5年前に出ていたんだった。消費税値上げ前の駆け込みとして購入。買ったのは同じ年に出た3刷だけど、どのくらい売れたのかな?
30年近く前になくなった叢書について、こういう本が出せるのがSFというジャンルだよね。「刊行リスト」とか「全解説」とか「表紙一覧」とかSFファンは好きだもんねえ。

エッセイも解説そのものも楽しいので、この手の本が好きな人は今からでも遅くはないです。
良い本です!

この本の刊行経緯、文庫創刊時のあれこれや廃刊に至る諸々など、サンリオSF文庫そのものにまつわるいろいろは読めばわかるので少しだけ。
SFの分野としてはハヤカワ・創元に次ぐ第3の文庫だったので、他の2文庫より規模の小さい、ラインナップを含めマイナーなイメージだったが、「サンリオのような大資本が」のようなことが書いてあるのを見て、そうかーサンリオは企業としては早川書房や東京創元社よりずっと大きいんだよなとちょっと目からうろこ。
翻訳の質がどうのと言われてもいたが、先に出ていたものの文庫化というのは3冊だけで(それもサンリオから出たものはなく他社の本)、ほとんどは初訳だったようだ。意欲的な企画だったと言える。

この本のメインの解説部分は基本1冊1頁だが、見開き2頁なのはシリーズもののほか、再刊・新訳されていない作品のうち編者が重要作と推した8冊(ライバー短編集『バケツ一杯の空気』、ディッシュ長編『キャンプ・コンセントレーション』、ディレーニ短編集『時は準宝石の螺旋のように』、レム長編『浴槽で発見された手記』、ベスター長編『コンピュータ・コネクション』、オールディス長編『マラキア・タペストリ』、リーミイ短編集『サンディエゴ・ライトフット・スー』、ラファティ長編『悪魔は死んだ』)。

各本の解説には、再刊・新訳・別訳の有無も載っていて、作品の評価の一端もわかるし、これから読みたい人にとっても便利。
197冊中、この本が出た時点および予定とあったので確認したのは、再刊47冊、新訳22冊(うち3冊は再刊分とのダブリ)、先行別訳7冊。再刊のなかには改訳や短編集の一部作品の訳者変更、収録作品の再編集など手を入れられたものもある。先行別訳の中にはサンリオSF文庫終了後でも手に入れられたものやその後に文庫化されたものも。
結構再刊・新訳出たと思ったけど(この本が出た後もまだ増えているかもだけど)、別訳入れても80冊以下で100冊以上はそのままなのか。シリーズものは大半が駄目。シリーズもの以外で4冊以上出ていたうちではシルヴァーバーグ、オールディスが1冊もなしとは意外。ケイト・ウイルヘルムやボブ・ショウもないのは残念。サンリオSF文庫の特徴の一つだったフランスSFも全滅じゃないか?

ところで本解説目録は同じ作者はまとめて並べているが、刊行順が知りたい方には「本の雑誌」55号(1987.8)に「サンリオSF文庫全刊行リスト」というのが載っているのでそちらが便利。ただしこれには1982年8月刊行の『ザ・ベスト・オブ・サキ Ⅱ』が漏れている。このリスト出たのはサンリオSF文庫廃刊直後だったのだなあ。『ニッポン文庫大全』(ダイヤモンド社 1997)という本にも全リストが載っていたらしい。
今ならどこかに一覧しているサイトがあるかな、と検索してみたら、本書『~総解説』の「はじめに」にも紹介されている以下のものを見つけた。
「サンリオSF文庫の部屋」
まだ『~総解説』が刊行される前に作成されたものだが、すごい充実度。番号別・出版順一覧、書誌事項・表紙絵、参考文献といった資料的なことのみならず、異装版を含め(ほぼ)コンプリート所有されている方だからこそできる、表紙カバーの細かい差異などにも言及した大変な労作。
「BRUTUS」595号(2006年6月15日号)には「サンリオSF文庫を知っていますか?」(高橋源一郎)という記事があったそうだが、背景にずらっと並んでいるのは、このサイト作っている方の蔵書だとか。

実は自分でも「解説目録」的なものを作ろうと、手に入った各本の巻末の3~4行の既刊書の内容紹介を集めてみたことがある。サンリオSF文庫197冊中111冊分、過半数は集められたかな。
同じく巻末にあったタイトルと著者・訳者・価格のみの著者番号順の刊行一覧も作った。ないところは手書きで。

背表紙について少し(上記サイトを参照+補足)。
サンリオSF文庫の背表紙は当初は白で黄色の楕円の中に火星人がいるマークがついていた。1981年の途中から楕円の中の色が水色になり、1985年1月には楕円の中の色がピンクの『マイクロノーツ』が出て、ピンクは「冒険SF」、水色は「本格SF」と見返しに記載されたが、それから間もなく背表紙が白から青緑に、火星人マークの楕円の中の色はすべて白になってしまってこの分類は以後使われなくなってしまった。
あと、初期の火星人マークが黄色の頃は、タイトル表記は明朝体で、「サンリオSF文庫」の表記は「サンリオ」「SF文庫」と2行(カバー修正などで一部例外があるらしい)だった。水色になってからはタイトル表記はゴシック体になり、「サンリオSF文庫」の表記は字が小さくなって1行になった。なお唯一の「冒険SF」である『マイクロノーツ』はタイトル文字が赤(他の文字色は黒)。背表紙全体が青緑になってからは、分類番号・タイトル表記・作家名表記・「サンリオSF文庫」の表記等の背表紙の文字色はすべて白になった。
サンリオSF文庫だけ並べようとしても、確かに見場良く並べるのは難しい!(笑)

以下、読んだサンリオSF文庫の思い入れを主に書くので畳む。
ここからも超長い(笑)
 

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2019-03-05

『旅ゆけば味わい深し』

『旅ゆけば味わい深し』(わたしの旅ブックス)(林望著、産業編集センター、2018.6.26)読了。
イギリスに関するエッセイで世に知られるようになった、国文学者・作家の著者の旅と食べ物エッセイ。

講演で出かけた先で食べた料理、家で自分で作った料理などについて、本人によるカラー写真とともに掲載したブログ記事を本にしたもの。
お店の料理や食材の生産農家などがある場合は、店の名前と所在地つき。
大体見開きで1品の文と写真という構成なので、1件ごとの記事はごく短くすぐ読める。
レシピがついているものや手のかかりそうなものもあるが、たいていは簡単に作れそうなもの。

どれもおいしそうに書いてあって楽しい。
 

2019-03-02

『役に立たない読書』

『役に立たない読書』(インターナショナル新書)(林望著、集英社インターナショナル、2017.4.12)読了。
イギリスに関するエッセイで世に知られるようになった、国文学者・作家の著者の読書論。

本は買って読めというのが持論であられるので、図書館派でもある私にはうなずけないところも多いし、嫌いな人だったら鼻につくと思うところもあるだろうけれど、私はこの方の語り口が好きなのでおおむね楽しく読めた。(途中で読むのをやめるほど合わなかったわけではない^^;)
共感できるところも共感できないところもあるけれど、まあ、こう思う人もいるんだなあ、という感じ。

古典については「知らない世界」なので、かえって結構おもしろく読めた。
『遊仙窟』のくだりなども。

朗読については周囲の環境もあるし気恥しくてなかなかできないが、語られるものであった「物語」、演じられることが前提の「戯曲」、そして歌われることも多い「詩」は、確かに声に出して読むと味わいがまた一入というところもあるんだろうなあとは思う。近代の小説でも「走れメロス」なんかはすごく調子がいいし。

少し前にこの方の自伝的エッセイ風小説?を読んだのだが、読みながら覚えてないからやっぱり読んでいないよなと思っていたが、記録を見たら読んでたー! すっかりさっぱり忘れていた。まあそれもおもしろかったからいいけど。
 

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