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2010-04-17

読書歴・その3

児童文学以外の日本人作家作品について。敬称略。

ファンタジーはライトノベル系に多いが、ライトノベルはあまり読めていない。いろいろ楽しめるものはまだまだあると思うのだが、たくさんあり過ぎて…。ライトノベル系はイラストも重要だよね。
栗本薫の<グイン・サーガ>(ハヤカワ文庫JA)は10巻が出たあたりから読み始め、まだ読んでいる。いろいろ言いたいことがなくもないが、未完が果てしなく残念。
オーソドックス?に小野不由美の<十二国記>シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート)はよくできていて好きだが、最初の巻はしんどかったなあ。しかし続きはいつ出るのだろうか。完結できるのか? 山田章博のイラストがあるホワイトハート版がオススメ。
その他有名どころでは雪野紗衣の<彩雲国物語>シリーズ(角川ビーンズ文庫)。結構深刻な話なのだが、会話も地の文も徹底的に軽くてある意味とてもすごいと思う。テレビアニメもクォリティ高くて楽しめる。
そこまで有名じゃないうちでは茅田砂胡。<デルフィニア戦記>(中央公論新社 C☆NOVELS Fantasia)は試しに1巻を読んだ後、これはイケル!ということで全巻一気読みした。文庫版もあるが沖麻実也のイラストがいいなあ。他のシリーズも好きだが、主人公たちがひたすら元気なのが楽しい。
ややマイナーなところでは麻城ゆうの<月光界シリーズ>(大陸ノベルス→角川スニーカー文庫、ウィングス・ノヴェルス、ウィングス文庫、角川ビーンズ文庫)。道原かつみのイラストも好きなのだが。この世界の話はもう出ないのかな。

日本のSFはファンタジーよりもさらに読んでいない。その中でも「読んでいる」と言えるのが「その2」にも書いたように谷甲州。技術的な難しいことは私にはわからないが、描写がしっかりしていて「いぶし銀」的な作品と言ったら失礼だろうか。ときどきコミカルで味のあるキャラもいて楽しい。<航空宇宙軍史>(ハヤカワ文庫JA)ほか。SF以外の山岳小説や架空戦記ものは読んでいない。
やや若手では野尻抱介。ライトノベルとして出ていた<クレギオン>(富士見ファンタジア文庫→ハヤカワ文庫JA)や<ロケットガール>(富士見ファンタジア文庫)も立派にハードSF。安心して読めるし面白い。
同じくライトノベル系で岩本隆雄の『星虫』(新潮文庫→ソノラマ文庫)はいい! ファンタジーの面もあるが、SFとして若い人にも読んで欲しい!と思える作品。同じ世界観での関連作品もあり。
最近読んだものでは有川浩の<図書館戦争>シリーズ(アスキー・メディアワークス)。これも1巻を読んだ時点で書店へ走って大人買い。あれは結構現実に即した話なんだよね。図書館事情をある程度知っていると随所でにやりとさせられる。ラブストーリーとしてもとても楽しいぞ。
あと、中井紀夫に『山の上の交響楽』(ハヤカワ文庫JA)というのがあったが、不思議な感じの物語で印象に残っている。

ミステリは、日本のものはほとんど読んでいない気がする。日本の作品は何かどろどろした感じがして。ミステリはたいていは殺人事件とかの殺伐としたものだけれど、物語としては探偵役も含めドライなものが好きかも。北村薫の<私>シリーズ(東京創元社)は好きで読んでいる。

小説ではないが、イギリス話のエッセイの林望は好きでよく読む。何といっても処女作の『イギリスはおいしい』(平凡社→文春文庫)が楽しい。「まずいイギリス料理」の描写が秀逸。私のような「イギリス好き」向き。新刊が次々出るのでなかなかフォローしきれない。小説もあるが、エッセイ形式のものの方が面白い。

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2010-04-16

読書歴・その2

今回は児童文学以外の翻訳ものを中心に。

児童文学にはファンタジーとリアリズムという分け方がされることが多く、私はどちらかというとファンタジーの方が好きだったのだが、一昔前までは一般に「ファンタジー」と言ってもなかなか何のことかわかってもらえなかったものだ。現実の中で不思議なことが起きる「エブリデイ・マジック」と言われる話、魔法があり人外の生き物が普通に出てくるような全くの別世界ですべてが起こる話、現実から別世界へ行って冒険する話…などといちいち説明しなくてはならなかった。今では「ハリー・ポッター」とか「ロード・オブ・ザ・リング」とか言えば大体わかってもらえるような気がする。ベストセラー小説やヒット映画は偉大だ。「子どもだまし」のくだらないもの、と思う人も相変わらずいるとは思うが、社会的に認知度が上がって、作品の数もふえて選択肢が多くなったのは喜ばしい。

そのファンタジーの児童文学ではないものとしては、1979年に早川書房でハヤカワ文庫FTが創刊された。初期は児童文学なども入っていたが、次第に別世界ものの大河シリーズが主流になった。それまではファンタジー系の作品は、児童文学でないと「幻想・怪奇」という分野しかないような感じがあったが、自分好みの読みやすいものがふえて大変嬉しかった。
表紙や挿絵に漫画家を使うのは人によりけりで、「イラスト」が描ける人はいいのだが「自分の漫画」にしかならない人もいて、個人的にはちょっと…なものもある。いやあなたの漫画は好きなんですよ、Nさん。
この文庫も今では500番を超えたが、300番ぐらいまでは50%以上の読書率を保っていた。
好きな作家の一番はパトリシア・A.マキリップ。FT文庫の栄えある第1番を飾った『妖女サイベルの呼び声』も好きだが、<イルスの竪琴>三部作がとても好みだった。
あと、タニス・リーも。<平たい地球>シリーズの『闇の公子』をはじめとする、ややエロティックな「幻想小説」が美しくて良かった。最近はFT文庫で出なくなって作品が探しにくいぞ。
グレッグ・ベアの『無限コンチェルト』やR.A.マカヴォイの『黒龍とお茶を』なども好き。
ファンタジーは「美しく」ないと!(美形のキャラが出る、という意味にあらず)

SFは大学生になってから、あるとき思い立ってまとめてばーっと読むまで、あまり読んでいなかったように思う。アイザック・アシモフとかレイ・ブラッドベリとかぐらい。一応古典からサイバーパンクあたりまでいろいろ読んだが、SF小説はファンタジーに比べて「美しさ」が足りない気がして、ファンタジー程のめりこめる作品が少ない感じ。SF漫画にはすごく好みの作品もあるんだけど(後述)。
アン・マキャフリイの<パーンの竜騎士>とか、ロジャー・ゼラズニイの<真世界(アンバー)>シリーズとかジャック・ヴァンスの『竜を駆る種族』とかロバート・L.フォワードの『竜の卵』とか…内容やタイトルがファンタジーっぽいものが多いような。フォワードはばりばりのハードSFだが。ハードSFではラリイ・ニーヴンの<ノウン・スペース>も好きだった(以上ハヤカワ文庫SF)。日本人では谷甲州の<航空宇宙軍史>(ハヤカワ文庫JAほか)も面白かった。日本人作家・作品については後述。
SFはテーマ別アンソロジーも多いけど、新潮文庫の『スターシップ』が良かったな。

ミステリ・冒険小説は社会人になってから、やはりあるとき思い立ってまとめていろいろ読んだ。
エド・マクベインの<87分署>シリーズ(ハヤカワ・ミステリ)はそれ以前から読んでいたけど。父が好きなのでこの分野はいろいろ家にあった。
新しめのものではアーロン・エルキンズの<スケルトン探偵>シリーズ(ミステリアス・プレス文庫→ハヤカワ・ミステリ文庫)をよく読んでいる。
ルパンは子どもの頃は面白く読んでホームズは鼻につく感じがしてあまり好きではなかったけど、大人になって改めて読んでみたら逆にルパンは大仰でホームズの方が面白く感じた。
ミステリは結構当たりはずれがあって、フランス・ミステリは駄目なのが多かったような。冒険小説やスパイものはさらに当たりはずれがあって、デズモンド・バグリイの『高い砦』(ハヤカワ文庫NV)とかは面白かったけど。
冒険小説とはちょっとずれるかもだが、海洋ものの雄、セシル・スコット・フォレスターの<ホーンブロワー>シリーズ(ハヤカワ文庫NV)も好きだった。
歴史上の謎を追うジョセフィン・テイの『時の娘』(ハヤカワ・ミステリ文庫)、中世が舞台の文字通り「歴史ミステリ」であるエリス・ピーターズの<修道士カドフェル>シリーズ(現代教養文庫→光文社文庫)、リンゼイ・デイヴィスのローマ時代のハードボイルド探偵もの?の<密偵ファルコ>シリーズ(光文社文庫)なども好み。
おまけとして、ドナルド・E.ウェストレイクの『ニューヨーク編集者物語』(扶桑社ミステリー文庫)を。この作品はミステリではないが、実録ユーモア小説という感じで、特にアシモフが次々と作品を書いて送りつけてくるというくだりはさもありなんという感じで笑った。

2010-04-15

読書歴・その1

福音館の絵本と岩波の児童文学(主に翻訳もの)で育つ。ちなみに福音館書店の月刊絵本「こどものとも」が創刊されたのは1956年、岩波書店の岩波少年文庫が始まったのは1950年である。私が子ども時代を過ごした1960~70年代はそのへんが軌道に乗って、単行本を含めいろいろ出るようになっていた頃だ。もちろんそのほかのものもいろいろ出ていて読んでいたはずではあるが、幸運な時代であったと思う。

絵本はディック・ブルーナの「うさこちゃん」シリーズ(福音館書店)なども読んでいたが、ほかに印象に残っているものはと言うと…なぜかバージニア・リー・バートンの『せいめいのれきし』(岩波書店)が思い浮かぶ。今では内容的には少々古くなり、科学絵本としては現役ではないかもしれないが、舞台仕立てになっている画面を隅々まで見て楽しんだ。同じような構図で登場するものが変わっていくのが面白かった。最初の頃の版で、カバーの下の本体が黒一色で表紙に金色の太陽がついている装丁も好きだった(今の日本版は違うのだが、のちに原書がその装丁なのを見て思わず買ってしまった)。

児童文学についてはサイトを参照のこと。とうに「児童」ではなくなったし、自分の子どもを理由にしているわけでもなく、自分が面白いと思ってずっと読んでいる。最近はあまりたくさん読んではいないが、読書量自体が減っているからなあ。ファンタジー部門ではJ.R.R.トールキン、リアリズム部門ではアーサー・ランサムが私の中では双璧である(トールキンは児童文学とは言いがたいところもあるが)。

あと、小学生の頃は探検記・冒険記・ノンフィクションの類もよく読んでいたと思う。登山ものや極地探検、航海記や伝記はなぜかいろいろ読んでいて、エルゾークの「アンナプルナ登頂」、南極点到達競争のアムンゼンとスコット、マゼラン隊の世界一周などで凍傷や壊血病は常識だと思っていた。小学校の学校図書館の高い棚にあったノンフィクション・シリーズがお気に入りで、脚立に上って取ってよく読んでいたのを覚えている。

家ではそんなに次々と本を買ってもらったわけではなかったと思う。父親が新聞社に勤めていたので書評用の本をもらったり、近所の幼稚園の図書室開放などを利用したりもしていたようだ。小学校二年生のとき、家の近くに地域文庫ができて、そこでよく本を借りた。市立の図書館が少し離れたところにできたのはその三年後のことであった。

とはいえ、姉と共用の子ども部屋には父親が自作した天井近くまである本棚があり、友人の家に行くと、子ども部屋に、いやほかの部屋にも、なぜ本棚がないのだ~と驚いたりしたものだ。長じて知り合った人はお互いの家に行くとまず本棚を確認しに行くような人ばかりな気がするのだが。

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