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2020-09-28

北村薫『玻璃の天』『鷺と雪』

北村薫『玻璃の天』(文春文庫、2009)、『鷺と雪』(文春文庫、2011)読了。
『街の灯』の続編で、『鷺と雪』がシリーズ最終巻。
『玻璃の天』は「幻の橋」「想夫恋」「玻璃の天」、『鷺と雪』は「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」の3話収録。
『鷺と雪』で直木賞を受賞。

昭和戦前期を舞台に、良家のお嬢様がちょっとした謎に遭遇する話。
主人公のお嬢様の女運転手ベッキーさんが裏主人公。

第1作読んだのもう10年も前か! シリーズになっているのに気づいたのは割と後になってからだったけど。設定以外ほぼ忘れているので『街の灯』も読み返した。

読ませる良い物語でしたが、シリーズこれで終わりなのが残念。主人公たちがこの後どうなったかが気になるなあ。良い物語は終わった後も気になるものだけど、これから激動の時代に入るので余計に…。まあだからこそここで終わるのだろうけど。

以下、内容にふれるので畳む。
 

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2020-09-01

『超芸術トマソン』

『超芸術トマソン』(赤瀬川原平著、ちくま文庫、1987.12.1)読了。
2014年11月10日付の第21刷。

1985年刊の、白夜書房の元本で読んでいたと思う。
出て2年後にもう文庫になっていたんだな。それからでも、もう30年以上かあ。
今読んでもいろいろおもしろいよ!
「トマソン」という語もすっかり普通名詞化したような。というかすでに忘れられているか。

文庫の際に改訂・増補したというので(目次見たら増補部分別になっていたし)、増補部分の見覚えなさそうな写真だけぱらぱら見ればいいかな~と思ったが、この本、その物件の写真もさることながら、文章がおもしろいんだったわ。つい最初から全部読んでしまった。「トンデモ本」のおもしろさが、と学会の方々のおもしろおかしい紹介によるところが大きいのと同じようなものか。

トマソン氏から抗議が来たとかいう話も聞いたように思うが、実際はどうだったのか。今や英語版のwikiにも「Hyperart Thomasson」などと書かれているぞ。

まあいろいろおもしろいものはあるが、近所で言うと、横浜市図書館前の「爆撃跡」、1990年代に図書館が建て直されるまであったんだよな。確かにこんな感じだった。関東大震災後に再建されたこの図書館は、中は普通に入れるところが少なく、図書館としては使い良かったとは言えないけど、壁が厚く重厚な感じのする風格のある建物ではあったと思う。でもなぜ周辺を整備しなかったのかなあ。

増刷なので文庫になってから内容は変わってないと思うが、カバーの著者紹介に「2014年10月26日逝去」と入っている。
文中にも出てくる、建築史家で路上観察学会のメンバーの藤森照信の解説に、享年として(90)とあって、あれ、と思ったがこの解説文全体が2027年頃に著者が90歳で亡くなったという未来の文章の体裁の冗談なんだよね。実際の享年は77で決して若死ではないけど、解説の内容が実現しなくてちょっとしんみり。
 

2020-08-03

顎木あくみ『わたしの幸せな結婚』

顎木あくみ『わたしの幸せな結婚』富士見L文庫、2019)を読了。
「小説家になろう」サイトに掲載されていたものを書籍化したデビュー作。
「1」とは銘打ってないけどシリーズ1作目となった、明治・大正時代をモデル?とした和風ファンタジー。

コミカライズがSNSに流れてきたので知った作品。
このタイトルならストーリーで「はずれ」はなさそうだし、何と言っても彼氏がイケメンで楽しそうだ。

タイトルが最大のネタバレだけど、まあ一応内容にふれるので畳む。
 

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2020-07-24

島袋全優『腸よ鼻よ』1~3巻

島袋全優『腸よ鼻よ』1巻(2019.9.13)。
島袋全優『腸よ鼻よ』2巻(2019.11.29)。
島袋全優『腸よ鼻よ』3巻(2020.6.30)。
KADOKAWA発行。web「GANMA!」連載中。

漫画だけど闘病記的なコミックエッセイなのでこのカテゴリーで。

webで先まで全部読んでるけど、作者「取材」費の足しにと購入しようとしたのだが、売っている場所がなかなか見つけられなくて苦労した。少年漫画コーナーかと思ったらなくて、少女漫画コーナーでも出版社・レーベルごとのところじゃなくて、隅の「女性向けコミックエッセイ」のところにあった。
最初地元の大型書店でぱっと見つけられなかったので、アニメイトならあるだろ!と思って行って見つからないから店員さんに聞いたらまさかの「入れていません」で、結局最初の書店で再度捜したらあったという。

改めて読んだけど、やっぱりおもしろいよ!
…とともに大丈夫かーと心配になる。
体調が悪いときに前向きに漫画にするとかすごすぎる。
人物はいろいろデフォルメしてあるんだろうけどみんな楽しい。
ときどき入る完全創作?回が息抜き?(出張編集部のことを教えてくれるスーさんの回とか)
ネタをいちいち取り上げてるときりがないくらいそれぞれおもしろいので、興味ある人は是非。
ただ病気や治療のことは人によって違うので、具合が悪い人は自分に合った医療をちゃんと受けてね~。

web連載は大腸全摘してストーマをふさぐところまで来てるけど、その後もいろいろあるみたいだし…。
あとがきに「単行本で大腸が無くなるまで収録したい」と書かれていますが、作者の方が「取材」もとい緊急入院しないで済むようになってネタにならなくなるまで早くたどり着けますように…。

ツイッターで別の漫画家さんが明るく末期大腸ガンの連載始めましたってやってたけど、こちらもなんとか寛解にもちこめることをお祈りしております。
こっちもワイルドなお医者さんの話があったけど、いい医者は早死しそうだな。医療現場はブラック職場…。

私も開腹手術したけど、なんか大したことなかった気が。
皆さん、なんとかお元気で…!
 

2020-06-18

『SF万国博覧会』

『SF万国博覧会』(寺子屋ブックス11)(北原尚彦著、青弓社、2000.1.30)読了。
早川書房発行の「SFマガジン」に連載した「空想科学小説叢書列伝」(1994.2~1995.12)と「バベルの塔から世界を眺めて」(1997.1~1999.12)を合わせての単行本化。
連載時から楽しみに読んでいたが、単行本刊行ももう20年も前だったか。しかし早川は本にしてくれなかったんだなあ。

こういう「リストもの」は好きなのでいずれ買おうとは思っていたが、『サンリオSF文庫総解説』(本の雑誌社)の感想を書いていたとき、やっと思い立って買った。
改めて読み直したが、たらたら読んでいたら読み終わるのにずいぶん時間がかかってしまった。

どちらかといえば「空想科学小説叢書列伝」が好きだった。一部重なっているものもあるが(「世界SF全集」「Q-TブックスSF」「現代ソビエトSFシリーズ」)、奇想天外社の「別冊 奇想天外」12号(1980.11)「SFゴタゴタ資料大全集」の「SF叢書リスト」を継ぐものと言える。
角川文庫のSFジュヴナイル、コバルト文庫の翻訳SFアンソロジー、ソノラマ文庫海外シリーズなど、ある程度まとまりはあったもののきっちり「叢書」の形になっていなかったものも紹介しているところは貴重。
連載時、「角川文庫<Fシリーズ>」が取り上げられないかなあと期待したが、ファンタジーがメインと思われたのか取り上げられず残念だった。自分で調べたことがあるので、今度まとめておくかなあ。

「バベルの塔から世界を眺めて」は英米圏以外のSFを紹介したもの。「英米圏以外」なので英語圏でもカナダやオーストラリアなどは入っている。ジュヴナイルや幻想小説で取り上げられているものも多い。ロシア系は啓蒙小説が多かったりして読みにくいものもたくさんあったようで大変そう。中国もそうかと思ったらそもそもあんまり訳されてないのだな。
SF小説というよりノンフィクション的なノリの、レオ・レオーニの『平行植物』やハラルト・シュテンプケの『鼻行類』が取り上げられているのは楽しい。
 

2020-05-21

上橋菜穂子『風と行く者』

上橋菜穂子『風と行く者―守り人外伝』(偕成社 2018)読了。
<守り人>シリーズ3冊目の番外編で、これは長編。
本編の終わった後の話として始まって、バルサがジグロと旅していた過去の話が回想としてはさまり(というかここがメイン)、最後に過去を含めての解決編が来るという構成。

本編の後日譚はもちろん、あの世界の話がもう一度読めて嬉しい。
もっとあってもいいのよ~。

以下、内容にふれるので畳む。
 

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2020-04-30

ミシェル・ペイヴァー『決戦のとき』

ミシェル・ペイヴァー『決戦のとき』(評論社、2010)読了。
<クロニクル千古の闇>第6巻、最終巻。
6000年前の紀元前4000年頃、人々が狩猟採集して暮らしていた時代のヨーロッパが舞台(モデル?)のファンタジー。

いよいよ最終決戦。
入院中に読み出して2か月余でシリーズ読了。おもしろかったよ!

以下、内容にふれるので畳む。
 

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2020-04-24

ミシェル・ペイヴァー『復讐の誓い』

ミシェル・ペイヴァー『復讐の誓い』(評論社、2009)読了。
<クロニクル千古の闇>第5巻。
6000年前の紀元前4000年頃、人々が狩猟採集して暮らしていた時代のヨーロッパが舞台(モデル?)のファンタジー。

前巻に増して不穏なタイトル。
多分この巻はシアジ回…。

以下、内容にふれるので畳む。
 

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2020-03-20

ミシェル・ペイヴァー『追放されしもの』

ミシェル・ペイヴァー『追放されしもの』(評論社、2008)読了。
<クロニクル千古の闇>第4巻。
6000年前の紀元前4000年頃、人々が狩猟採集して暮らしていた時代のヨーロッパが舞台(モデル?)のファンタジー。

不穏なタイトルだな…と思ったら、前巻でつけられた〈魂食らい〉の入れ墨がやはり問題に。
他二人(?)のメインキャラの方にもいろいろと。

以下、内容にふれるので畳む。
 

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2020-03-17

ミシェル・ペイヴァー『魂食らい』

ミシェル・ペイヴァー『魂食らい』(評論社、2007)読了。
<クロニクル千古の闇>第3巻。
6000年前の紀元前4000年頃、人々が狩猟採集して暮らしていた時代のヨーロッパが舞台(モデル?)のファンタジー。

トラク、レン、ウルフといつものトリオで話が始まるが、不吉なしるしが…。
〈魂食らい〉との宿命的な対決を控えているが、まだ半分なんだよな?

以下、内容にふれるので畳む。
 

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