FC2ブログ
2018-08-02

『ラーマーヤナ』

河田清史『ラーマーヤナ―インド古典物語』上・下(レグルス文庫、1971)を読了(7/30)。
第三文明社刊。上巻1993年13刷、下巻1994年12刷。駒井哲郎挿絵。
3世紀ごろの詩人ヴァールミキがまとめた古代インドの伝説の英雄ラーマの歌物語の日本語再話版。
悪魔の王にさらわれた妻シータを奪還しに行くのが物語のメイン。

もうすぐ日印合作のアニメ映画が再上映されるというので、予習として読んでみた。
本当は東洋文庫とかの原典の翻訳を読むべきなんだろうけど、ちょっと長そうなので、この「少年少女にしたしみやすく読みやすいように」再話されたものを。この版もそれなりに評価されているようで、三度目の刊行なのだそうだ。味のある木版画の挿絵もずっと使われているとか。アマゾンでも最近kindle版が出て「ベストセラー」となっていた。

ともあれ、こういう神話・伝説的な物語は一通りは押さえておきたいよね。
インド神話全般もおさらいしとこうかなあ。

今更ネタバレでもないが、内容の細かいところにふれるので畳んでおく。
(2018.9.2追記あり)

 

続きを読む »

スポンサーサイト



2018-07-01

オースティン『高慢と偏見』

ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(阿部知二訳、河出文庫、2006新装版)を読了。
18世紀末のイギリスの片田舎を舞台とした恋愛小説。

ちょっとしたきっかけでまあ読んでみようかと手に取ったのだが、「名作」だから堅苦しい話なのかと思ったら、「大衆娯楽小説」という感じでおもしろいじゃないか!

全く何も知らなかったので、そもそもこの話が「恋愛小説」ってことも知らなかったわ。
「名作」はやはり「名作」だけのことはあって、実はおもしろいものなのか?(作者に失礼…)

少女漫画的恋愛小説が好きな人にはおすすめかも。
おもしろかったよ!

以下、話の結末にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2015-11-03

森絵都『風に舞いあがるビニールシート』

森絵都『風に舞いあがるビニールシート』(文藝春秋、2006)を読了。
大人向けの小説の短編集。直木賞受賞作。

絵本ぽい児童読みものから青春もの、一般向けの小説まで、相変わらずうまい。
ああでも「普通小説」だなあ…。

児童文学ではないけど、いずれサイトの方にアップ予定。

以下、一応内容にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2015-06-30

梨木香歩『雪と珊瑚と』

梨木香歩『雪と珊瑚と』(角川書店、2012)を読了。
シングルマザーの女性が子育ての中で総菜カフェを開くという現代もの。

この人の作は出た順に読んでいたのだけど、これだけ飛ばしてしまっていた。
この前の現代ものがちょっと重かっただけに恐る恐る読んだが、まあ許容範囲内かな。

これもファンタジーでも児童文学でもないけど、いずれサイトの方にアップ予定。

以下、一応内容にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2015-06-17

梨木香歩『海うそ』

梨木香歩『海うそ』(岩波書店、2014)を読了。
戦前、九州のとある島を訪れた一人の人文地理学者。自然の中と人の営みの跡を歩いて。

最終章は「五十年の後」の戦後。現代、と思ったけど、多分1980年代の昭和の終わりあたりかな。
いろいろと変わった島を見て、行き着いた思いは。

今から見れば古いできごとのあれこれが、この人の作品だと変にノスタルジックな匂いなく素直に読めるなあ。
おもしろかったけどどこがどう、とは言いにくいなあ。

これもファンタジーでも児童文学でもないと思うけど、いずれサイトの方にアップ予定。
 

2015-03-08

小竹清彦『バー・コントレイルの相談事』

小竹清彦『バー・コントレイルの相談事』(富士見L文庫、2014)読了。

ミステリのカテゴリーに入れようかと思ったけど、まあ普通小説でいいかなと。
OLの女性がふと入ったバーで職場でのトラブルを相談し…で始まる連作長編。
そのバーに集う人々との人間模様を楽しむ本かな。

そしてこの物語の肝は何と言っても各種のカクテルの描写なのだけど、まったく酒のことがわからないうえにほぼ全く酒が飲めない私には、この本の楽しみは十分味わえていないかも。カクテルの名前なんて「ギムレット」しか知らないぞ。それだって本からの知識だし。

以下、一応内容にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2014-10-03

梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』

梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社、2011)を読了。
現代の中学生の少年が語り手の現代もの。ヤングアダルト向け、かな。

これはファンタジーとは言えないなあ。
読みやすいけど、扱われている問題は重い。

詳細はいずれサイトの方にアップ予定。

以下、内容にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2014-07-03

コルネイユ「ル・シッド」

ピエール・コルネイユ「ル・シッド」(『筑摩世界文学大系 18 古典劇集』(筑摩書房、1975)所収)。
11世紀の実在のスペインの英雄エル・シッドの若き日を題材とした戯曲。

1637年初演の、フランスの三大劇作家の一人コルネイユの代表作。

古典作品なのでネタばれとか気にする必要はないかもですが、一応畳んどきます。
(2014.7.5にちょっと追記)
 

続きを読む »

2011-12-24

北村薫『飲めば都』

北村薫『飲めば都』(新潮社、2011)読了。

女性編集者の酒を絡めての連作短編集。といっても前後で話がつながっているので長編と言ってもいいか。
非ミステリ作品だが、この人の作品は安心して読める。
久しぶりに普通の小説を読んだかなあ。

以下、一応内容にふれるので畳む。
 

続きを読む »

2010-08-22

『わがシッドの歌』

『わがシッドの歌』(国書刊行会、1994)読了。
スペイン中世・黄金世紀文学選集第1巻。中世スペインの英雄叙事詩。

実在のスペインの英雄エル・シッド(1043?~1099)を題材とした叙事詩「Cantar de Mio Cid」の翻訳。作者や成立年代は諸説ありはっきりしない。翻訳は最近のものなので、口語で読みやすい。

エル・シッドの本名はロドリーゴ・ディーアス・デ・ビバール。ビバールという小村の出の下級貴族(※だと思っていたら結構大貴族だったのかも…詳細はこちら―2014.5.10)で、通称の「El Cid」は「The Lord」というような意味。シッドは仕えていた王様に追放されたりと苦労人だったようだが、当時スペインの半分を支配していたイスラム教徒にも一目置かれる存在で、呼び名の「エル・シッド」も元はと言えばアラビア語から来ている。「カンペアドール」という「チャンピオン=戦勝者」という呼び名もある。
「文学作品」なので史実とは結構いろいろ違うらしいが、叙事詩ではシッドが王に追放されるところから、バレンシア攻略を経て、娘たちの再婚までが描かれている。

王族の血を引く妻の名前はヒメーナ、娘の名前はクリスティーナとマリアだが、叙事詩ではエルビーラとソルという名になっている。ほかにシッドより先に戦死したディエゴという息子もいたようだが、叙事詩には出てこない。実在・創造を含め多くの家臣の名のほか、使用したという名剣「ティソン」と「コラーダ」、愛馬の「バビエカ」というのも出てくる。

中世の叙事詩なんてまともに読んだことはなかったのだが、大げさな定型表現を含め、なかなかおもしろかった。
シッドは戦いでは600対3000なんていう戦力差でも勝ってしまい連戦連勝、経済的にも豊かになるのだが、冒頭は追放された直後なので先立つものがなく、ユダヤ人の商人をだまして金を手に入れたりしている。その後も戦いに際して「糧のために」とか「褒賞金が欲しければ」というような「経済問題」がしばしば言及されるのがちょっとおかしい。

…なんでこんなものを突然読んだのかは、わかる人だけわかってください。
 

Copyright (C) 星のガラス瓶. All rights reserved. Template by Underground