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2015-08-23

「燭台切光忠」見てきました!

(※2015.8.29、9.11いろいろ追記でさらに長文に)

会場:徳川ミュージアム
会期:2015年7月11日(土)~9月23日(水) ※月曜休館
常設展示の一部として、「太刀 児手柏包永」と「刀 燭台切光忠」を上記の期間展示中。
※当初は9月2日(水)までだったが、期間延長。再延長はないとのことなので、次いつ見られるかはわからない。見たい人はこの機会に。

※とか言っていたら羽田空港ディスカバリーミュージアムとやらに出張するそうだ。前期・後期とも展示されるかは不明なのでご注意を。

「燭台切光忠」は、刀を擬人化した「刀剣男士」を集め、敵と戦わせる育成ゲーム「刀剣乱舞」(DMMゲームズとニトロプラスが共同製作)のキャラクターである。
その元ネタとなった刀が公開されているというので行ってきた。

水戸駅から車で10分程、偕楽園のそばにある小さな歴史系博物館。
10:00開館のところ11:00頃に着くと、すでに受付の前には長い列が。整理のボランティア係員さんが言うには、開館前にはすでに外に列ができていたとか。午後から行った方がすっと入れて良いとのこと。

受付で入館料を払い特別解説パンフレットを購入し、パンフレットに記念スタンプを捺して、いざ展示室へ。
水戸徳川家ゆかりの品々、武具や駕籠、古文書などが展示されている室の中央のケース内に、上記2本の刀が収められていた。5月のミュージアムトークの際は覆いもない状態で見られたそうだが、今回はさすがにガラスケース入り。

第一印象は、あ、思っていたより小さい、だった。
二尺二寸三厘、とあり約67cmか。この長さだと太刀じゃなくて打刀だよなあ。ミュージアムトークのときの質問に対し、ミュージアム側は打刀と認識しているとのことだったし。同時展示されている「太刀 児手柏包永」の方が明らかに長く反りも強い。と思ったけど「児手柏包永」も磨り上げ入っていて、ものの資料によると二尺二寸八分とあるので約68cm、大して変わらないのか?(長さは直線的に測るらしいので、反りがあるのは実質もっと長いので妥当か。) まあ太刀か打刀かは長さだけじゃなく馬上で使われたか否かにもよるというし、あまり厳密な区別はないらしい。
ゲームではもう刀種変更はしないというし、わざわざ「史実等とは異なる場合がございます」と注意書きも出たことだし、ゲーム内では光忠は太刀のままでいてくれ。

全体が真っ黒だけど、やはり焼けている国光銘の脇差の表面がやや荒れていて刃毀れもあるのと比べると、一様に滑らかな感じできれい。あまり実用されなかったのかもしれないけどね…。反りもそれほどなく真っ直ぐな印象。
融けて付着したハバキの金色も鮮やかで(純金らしい)、「金があしらってある黒い刀」としてこれはこれで格好いいと思う。
水戸徳川家の刀剣類を解説した『武庫刀纂』には焼ける前の刃文を写した図が載っているが、かなり細かい刃文だったようで、華やかな感じ。「豪壮華麗」と言われる光忠作の太刀としての本来の姿も見てみたい気もするが、前述のようにこれはこれで格好いいとも思うので、もし何か機会があるのなら、現物の再刃ではなくレプリカを作るのとかどうだろう。光忠の流れを汲む長船派の刀工さんは現在も活動されているのだろうか。

パンフレットには刀の全体と、ハバキの金が付着した部分のアップ、『武庫刀纂』に載っている記述や刃文の図などが載っている。
このパンフレットは写真撮影禁止のため、要望により公開一週間後に作成されたもの。それ以前に、いち早く行った方はもらえていないはずなのでちょっと気の毒。一度完売して、現在のものは第二版(その後さらに増刷)。記念スタンプを捺すスペースあり。スタンプも2種類あって、新しいものは日付入り(古い方も置いてある)。

ほかに刀の写真がラベルの黒豆きな粉飴とか売ってたけど、3回ほど入荷して即日売り切れの模様。光忠目当ての客は女の客が多いんだから、飴は売れるだろ! 2回目以降はもっと大量に作れよ…って工場のキャパオーバーなのかな…。

さらにキャラクターの紋の蒔絵シールとかもあったようだけど(これは既製品?)、こちらも3日で完売したようだ。キャラの顔が台紙についてるやつなんて売れるに決まってるやん! だからたくさん…!

これでパンフレットがなかったら泣くところだけど、あったからまあそれで良しとするか…。
絵葉書とか作って売ればいいのに。
ほかにキャラクターグッズ的なものはなかったので、散財する気満々だったけど買うものがなく、寄付だけしてきた(面倒くさいから税金減免の用紙記入はしなかったけど、こっそり大枚入れてきたぜ…)

小規模な博物館に突然の盛況で関係者は大変だと思うけど、この機に入館料や寄付がふえて、運営や資料の保存・研究がうまくいくといいね。

なんか文句っぽくなってるけど、見られて大変嬉しかったです。
ミュージアムの方々、お世話になりました。
そして焼刀でも保管してくれていた水戸徳川家や関係者の方々に感謝です!


ゲームの設定や公開の経緯、キャラクターへの個人的な思い入れなどを以下に畳む。
 

 
 
人に薦められて、ちょっとゲームをやってみていたら、燭台切光忠にどっぷりはまった。ゲームなんてほとんどやらないし、別に刀剣とか日本史に特に興味もないけどなあ、とか思っていたのにこの体たらく。
自分の趣味ドストライクのイケメン、ゲーム中の能力もかなり高く、バトルものとして頼もしい。俺様っぽい見かけにも関わらず一人称はなんと「僕」で言葉つきは柔らかく、「格好」についての発言は多いけど決して自慢野郎ではなくて性格もいい。顔も性格も良くて強い(そのうえ料理とかも得意そう(笑))、そんなスパダリぶり。

使っているうちにやはり気に入ってきたので一番よく使うチームに入れ、あるときキャラクターの設定などを見ていたら、その「一軍」メンバーの中で唯一現存しないと知り(その当時はそう思われていた)、ぐらっときた。
ゲーム中のキャラクターには実際に焼けて再刃された刀や現存しないものもいて、焼けて記憶がなくなった設定でそのことを気に病んでいたりする台詞があるものもいる。光忠はそういうことを全く言わず、前向きな感じの台詞しかないので、単に明るい性格の人かと思っていたけど、「焼失」を知ってからはそれもいろいろと深読みしちゃったりして、ああこれが「沼」か…て感じになっている。

「燭台切」の名は伊達政宗が小姓とともに燭台も斬ったことに由来しており、ゲームの燭台切光忠は「伊達政宗公が使ってた刀」と名乗っている。作られたのは鎌倉時代で、その後、織田信長→豊臣秀吉→伊達政宗→水戸徳川家、と伝わったというが、来歴は実ははっきりしていないところもあるらしい。ともあれ、上記の逸話を持つ刀は最終的には水戸徳川家に渡った。そして関東大震災時の火災で焼け、現存はしていないと思われていた。

その水戸徳川家の史料を管理する徳川ミュージアムの公式ブログに、「燭台切光忠」は被災したものの、焼刀の状態で保管されているという記事が載った(2015年4月30日)。水戸徳川家、および徳川ミュージアムでは現存は周知の事実だったかもしれないが、ゲームのプレイヤー、おそらくゲームの製作側にも、現物はすでにないものと認識されていたため、一部のゲーム関係者の間には衝撃が走った(笑)。公開はされていなかったが、ミュージアムには問合せが多数行くなど反響が大きく、2015年5月17日のミュージアムトークで限定公開されたのに続き(ミュージアムトークの数十人の定員はあっという間に満員になった)、上記の期間での展示が決定した。

一般に明らかになったところによると、震災時刀剣を保管していた蔵自体は焼け残ったが、直後にまだ高温の一酸化炭素が充満していた蔵を開けてしまったことにより起こった爆発現象で蒸し焼きになってしまったとのこと。保管されていた刀剣はすべて焼けてしまったが、それでも各刀の置いてあった場所からそれぞれがどれか特定できたという。その後の第二次大戦時の鉄の供出の際も家宝として拒んだため今日まで残ったようだ。

ミュージアムの受付列の整理をしていた係員さんはボランティアでふだんは主に徳川光圀について解説する役目だそうだが、今回は勝手が違うようで何か申し訳ない。来ているのは大部分「燭台切光忠」目当ての女審神者(プレイヤー)で、きっと水戸徳川家について質問する人はほとんどいないんだろうなあ。一緒に水戸徳川家一の名刀とされている「児手柏包永」も展示されているけど、そっちについてもね。「児手柏包永」は関ヶ原の戦いで徳川家康が使用したという太刀で、関東大震災時に光忠同様焼刀になってしまったものだけど、こちらはゲームでは実装されてないからなあ(実装されたら、「へし切長谷部」に対する「日本号」みたいな立場になるんじゃないかな…)。ちなみに「児手柏包永」は2015年5月15日のブログ記事では「このてがしわ これなが」ってフリガナついていたけど、今回の展示では「~かねなが」になっていた。
いわば「外様」の光忠に注目が集まっているのは、ミュージアム側としてはちょっと複雑かな?と思わないでもないけど、それは光忠は「伊達の刀」という認識の審神者の深読みで、ミュージアム側は光忠はもうすっかり「水戸徳川の刀」と思っているならいいのかな? それでも、水戸徳川家一の名刀である「児手柏包永」を差し置いての大人気はどうなんだろう?

期間延長したから、もし蒔絵シール再入荷とかしたらもう一度でも行きたいところだけど、水戸は遠い…。
それでも日帰りできる距離だから、九州から飛行機で見に来たという人もいるのに贅沢は言えまい。
駅からは少し距離があるのでバスまたはタクシーで行く人が多いようだけど(車を出してくれたS様ありがとうございました)、地元のタクシーの運転手の間ではすっかり「燭台切『さん』」は有名人になっているらしい。
各地の博物館でも各種刀剣が公開されるようになっていて、いろいろ見たい人は遠いところにあるものに対してぎりぎりしているんだろうなあ。

しかしまさか、自分がこんな「旬ジャンル」の人気キャラにはまるとは驚きだぜ。
燭台切光忠は格好いいよ!
 
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コメント

はじめまして

以下、エントリとは無関係で失礼します。

ある児童図書を探索中、裏私的児童文学作家ページ経由でこちらに辿り着きました。「ももいろきりん」「いやいやえん」「北極のムーシカミーシカ」「チョコレート戦争」佐藤さとるのコロボックルシリーズ、「クレヨン王国の12ヶ月」等々懐かしいものの目白押しです。そして「光車よ、まわれ」シリーズ!沢山の児童図書を読まれていらっしゃるので、もしや私が探している本もご存知かもと思いこちらに書いています。

私が探している本は1977年以前に出版された児童図書で、題名と作者名は覚えておりません。内容は、大層うろ覚えなのですが、小学生高学年の男の子の主人公が失踪してしまった友人を探すという冒険ミステリーでした。友人の父親はその人にだけ合った椅子があると云う信条を持った椅子職人で、ある日を境に働いていた椅子家具店内から姿を消していた、という設定だったと思います。その家具店のビルの地下が実は椅子の木材が生えている林で…という展開。

突然で不躾ですが、お心当たりございますでしょうか。

拍手&コメントが来ているのに気づいておりませんで、失礼しました。
9/20付の記事でお返事させていただきました。

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徳川ミュージアムには本物の印籠が展示

徳川ミュージアムは、14代当主・徳川圀斉が1977年に開館した博物館で、水戸徳川家に伝わる貴重な史料を公開している。徳川光圀が使っていた本物の印籠や、関東大震災で焼失されたと考えられていた燭台切光忠を見ることができる。

  • | 2017-04-16 |
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