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2019-08-11

北村薫『太宰治の辞書』

北村薫『太宰治の辞書』(創元推理文庫、2017)読了。
円紫さんと「私」シリーズ最新刊。短編集。
新潮社、2015年刊の単行本収録の「花火」「女生徒」「太宰治の辞書」に、短編「白い朝」とエッセイ「一年後の『太宰治の辞書』」「二つの『現代日本文学大系』」を併載。

前作『朝霧』が1998年刊行でもう出ないと思っていた。文庫化からも2年経ってしまっているが、このシリーズ好きだったので。

以下、内容にふれるので畳む。
 

 
 
女子大生の「私」を語り手に、落語家の円紫師匠がちょっとした事件の謎を鮮やかに解いてみせる「安楽椅子探偵もの」、だったが、前作『朝霧』で社会人となった主人公。
その前作から17年ぶりの新刊。物語の中の時間も同じ分だけ流れたと見え、主人公は結婚し中学生の息子がいる。出版社勤めは結婚・出産後も継続。大真打ちなった落語家の円紫さんとの付き合いも続いている様子。

今回収録の作品はどれも文学作品に関わる「謎」を探求する。円紫師匠は表題作「太宰治の辞書」にのみ、それも探偵役でなく出演する。主人公の感じた「謎」は明らかになるが、今回の作品はほとんど「ミステリ」という感じではなかったかな。まあこのシリーズはもともと派手な殺人事件とかは起きない物語だったのだけど。
そして私はこの作品集の題材になった物語どれも読んでないなあ…。

文庫本収録の「白い朝」は、親族の回想形式で円紫さんの子ども時代の話かな。

単行本が東京創元社じゃないんだなーと思っていたら、新潮社で始まるネタだからかな。

そういえばこのシリーズの第1作が著者のデビュー作だったか。まだ「覆面作家」で、作者もこの物語の主人公と同様の女子大生なのでは!?などと言われていたころ。
その後直木賞も受賞し、今は円紫師匠と同様に大作家だなあ。

シリーズの次作があるかはわからないが、落ち着いた味わいの一作。


あー直木賞受賞作ってベッキーさんシリーズやん! これも読まねば。
 
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